日本人メジャーリーガー、投手編|佐々木主浩
1990年代後半、”ハマの大魔神” のニックネームで、
横浜ベイスターズの守護神として君臨した佐々木主浩は、
フリーエージェントで1999年秋に、シアトル・マリナーズと契約した。
開幕前の予想では、中継ぎでの起用が有力視されていたが、
当時のクローザ―が不振だったこともあって、
定位置を確保できたことが、佐々木にとって大きかった。
得意にしていたフォークボールを駆使し、
セーブを積み重ね、野茂英雄以来2人目の、
日本人新人王に輝いたのである。
翌年にはさらに成績を伸ばし、シーズン116勝という、
長いメジャーリーグの歴史の中でも、特筆すべき成績を、
残したチームの中心選手として活躍。
その後、ケガをしたこともあり、メジャーリーグでのプレーは、
わずか4年に留まったが、最初の3年間で残したセーブ総数119は、
ヤンキースのマリアーノ・リベラより、多い数字なのである。
メジャー屈指のクローザ―として活躍し、
2年連続でオールスターに選ばれるなど、
記録に残る活躍をした佐々木投手だが、
その抜群の成績とは裏腹に、後にワールドシリーズで、
優勝を果たす松井秀喜、上原浩治といった選手と比べると、
人々の記憶には、それほど残っていない感がある。
やはりシーズンでいくらいい成績を残しても、
プレーオフでのインパクトある活躍がなかったら、
いたしかたない部分もあり、私生活のゴタゴタが、
影響しているのかもしれない。
しかし、佐々木投手の残したセーブ数が、他のクローザ―と、
遜色ないどころか、一流の成績だったことは明らかだ。
3年連続で35セーブ以上を達成した日本人投手が、
佐々木投手以後登場していないことからも、それは窺える。
その能力を後輩たちに伝授できるような、体制づくりを望みたい。