日本人メジャーリーガー、野手編|松井秀喜
2003年、松井秀喜が名門ニューヨーク・ヤンキースと契約した時、
すでに、イチローがマリナーズ、新庄剛志がジャイアンツでデビューしていたが、
日本野球最後のシーズンで、50本塁打を放った松井の様な、
パワーヒッターが挑戦するのは、初めてだった。
日米共に、名門球団でプレーすることもあり、開幕前からの注目度は、
先人たちの場合とはかなり違い、高かった。
シーズン40発を期待する声もあったが、ふたを開けてみれば、
初年度の松井のホームラン数は16本だった。
しかし、メジャーを代表する球団ヤンキースで、
常にクリーンアップの一角を担い、メジャーでも屈指のクラッチヒッターとして、
チームの勝利に貢献し続けた松井の雄姿は、決して色あせるものではない。
それは、メジャーでも珍しい一日契約をし、
ヤンキースの選手として、現役引退するという、
破格の扱いを受けたことからも、うかがえる。
数々の活躍を見せた松井秀喜が、最も輝いたのは、2009年のワールドシリーズ。
度重なるケガに悩まされ、指名打者専門になったこのシーズン、
松井はチームを牽引し、6年ぶりにワールドシリーズの舞台に立った。
第2戦・第6戦と、宿敵ペドロ・マルチネスから放ったホームランは、
チームを勢いづかせ、特に、最終第6戦では、
ワールドシリーズタイ記録となる、1試合6打点を挙げ、
見事、日本人初のワールドシリーズMVPに輝いた。
指名打者専門なら、もう少し長く現役を続けられたかもしれないが、
走攻守、すべてでチームに貢献するこだわりを貫いた、
松井選手の姿勢は、日米問わず高く評価されている。
今後は、自身を超える大型野手の育成に、
取り組んでもらうことを、願ってやまない。