日本人メジャーリーガー、投手編|長谷川滋利
日本に比べ、メジャーリーグは、
トレードが盛んなことは、よく知られている。
日本のトレードが、どちらかと言えば、
戦力外のイメージが、今なお、残っているのに対し、
メジャーリーグでは、必要とされていると、
ポジティブに受け止められる、傾向が強い。
その中には、金銭トレードもある。
しかし、日本からアナハイム・エンゼルスに海を渡った、
長谷川滋利投手の金銭トレードは、非常に珍しいケースだった。
先発として、オリックスの優勝に貢献していた長谷川投手が、
エンゼルスに入団してからは、中継ぎとして、
息の長い活躍を続けたことは、多くの日本人投手に影響を与えた。
長谷川投手の特色は、球速や制球力が、
歳をとるごとに、アップしていったことだ。
特に、マリナーズ移籍後は、
佐々木・イチロー両選手と同僚になったこともあり、
テレビ中継でピッチングを観る機会が、大幅に増えた。
表示される球速が、日本で言うと140キロ台後半を記録することもあり、
驚いた日本のファンも、少なくないことだろう。
卓越した制球力もさることながら、適切なトレーニング方法や、
語学堪能で、アメリカのテレビ局のインタビュアーを務めるなど、
野球選手には珍しい知性派の姿が、印象深い人も多い。
アメリカに住みたいという理由で、メジャーリーグに行き、
永住権を取得する野球選手など、なかなか現れるものではない。
まだまだ投げられる状態でありながら、モチベーションの低下を理由に、
2005年限りで引退を決意した、長谷川投手。
それもまた、1つの生き方であろう。
同時にプロスポーツ選手のセカンドライフの重要さを、
もっと発信してもらいたいと、願うばかりだ。